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人間分析学として成り立つのか


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(1) 宇宙の進化過程の中で人間誕生

私たちの宇宙は、今から約138億年ほど前に、ビッグバンとよばれる大爆発を起こし、高温、高密度の火の玉状態で誕生したと言われています。

インターネットで調べますと、ビッグバン理論といいますのは、「宇宙は高温、高密度の火の玉状態で誕生し、その中で物質は素粒子(物質の最小単位)というカタチで存在していたが、その後火の玉は膨張をつづけ、温度と密度が低くなると素粒子が結合して原子核ができ、さらに温度が下がって原子核と電子が結合して原子になり、その後物質がお互いの重力によって集まって銀河が誕生し、現在の姿になっていった」というものです。

この地球も、また、地球上で生まれたあらゆる種類の生命も、ビッグバンに始まる宇宙の生成過程あるいは進化の過程の中で誕生したものであり、とくに万物の霊長と言われる尊い人間も誕生しました。

このようなことから、「人間は宇宙の落とし子」であるとか、「人間は小宇宙」であるとか、
あるいは「人間は宇宙を凝縮したものである」などと言われているゆえんであります。

このため、宇宙を研究することは、すなわち人間を研究することにつながり、人間を分析することは、宇宙を取り調べることに通じます。
聖人は「理を窮めたら心が分かるし、心を窮めたら理が分かる」といっています。

この場合、「理」というのを「宇宙を貫く根本原理」と置き換え、「心」というのを「人間の本質」に置き換えますと、よく理解できるのではないかと思います。



(2) 宇宙を貫く根本原理とは何か

根本原理T
   ・・・・二元論(二象一態の原理)


また、この世の中には、「男性」と「女性」が存在しますが、あなたが「女」である、あるいは、わたしが「男」であると認識できますのは、すでにそこに比較対照できる「女」、あるいは「男」というものが存在するからでありまして、男性だけが存在する社会ですと、男という認識も不可能ですし、女という認識も不可能です。

二元論とは、この世は「天と地」、「昼と夜」、「冷と暖」、「上と下」、「男と女」、 「父と母」、「親と子」、「夫と妻」などというように、みな二つもしくは二人で一対いっつい)として成り立っており、お互いに切っても切れない仲になっていますが、これを二象一態とか、二元論と言います。



哲学的には、ある一つことを認識するためには、相反するものも同時に認識していなければ、ものごとが把握できないということであり、たとえば、「昼」ということを認識するためには、「夜」の存在がないと認識できず、夜がなく昼だけが存在する世界には、「昼」という言葉すら存在できないということです。 

■ 森羅万象を含めた宇宙を貫く法則は、大きく大別しますと、ひとつには物理学上の法則、二つには精神科学の法則があり、このふたつの法則が私たちの眼前で日々繰り広げられているのが、この現象世界であります。
この二つの法則をさらに深く追求していきますと、究極的には、精神界のことも含め、この現象世界は陰と陽の二象ですべて成り立っており、この二象が一体となって円満な活動が行われることで、この宇宙は進化発展していると考えられます。

■ これらのことを物理学上の法則の本質をなしている物質で、もっと分かりやすく説明しますと、たとえば、物質を細かく細かく切り刻んでいきますと、最初は分子になり、さらに進むと原子になり、最終的には、素粒子にまで行き当たり、この素粒子が最新の量子力学では物質の最小単位であると言われています。

この素粒子の内容を調べますと、原子核(陽子と中性子)と陰電子で構成されており、結局のところ最小の素粒子でさえ、陰と陽の一体となった深甚微妙(しんじんびみょう)な働きによって、成り立っていることが理解できます。

私たちの肉体も含めすべての物質は、この素粒子が複雑に組成されて出来上がっていることと、同時に、この陰と陽との活動によって、いろいろな物理学上の法則が顕われていると認識できます。

■ これら陰と陽の不可思議で巧妙な働きは、何も物質に限られたものではなく、精神科学においても、当てはまります。

たとえば人間を例にとりますと、私たちが日常活動を行うことができますのは、精神が肉体に宿ることによって、お互いが同一の人間であると認識できる環境に置かれるからであって、肉体のない精神だけでは、人間生活は成り立ちません。

このように精神を陰とすれば、肉体は陽となって、不即不離の関係になってお、いずれが欠けましても生命活動が維持できない仕組みになっています。


さらに人間の心の奥深くに隠れて他人に容易にうかがいしれない本質についても、形而上学的に考察しますと、目に見えない内なる精神気力(気)と、外から認識できる素質や才能(質)が複雑に絡み合って組成されており、この精神気力を陰と考えれば、素質や才能は陽に属し、いずれが欠けても、精神活動は停止してしまいます。



■ 四柱推命学では、この陰と陽との関係を「体」と「用」との関係で説明しています。

◇ 「用、陽にあり、体、陰にあり。而して動静は端なく陰陽は初めなし。先後を分かつべからず」

◇ 「陰陽、測られざる、これ神という。すでにその体あれば即ちその用あり。用を語れば体にあらず、体を論ずれば用にあらず。用には興と廃とあるも、体には生も滅もなし。すなわち体と用とは、不離不即なり」

◇ 「因果とは風と波の如く、体用とは水と波の如し」

◇ 「天地、万物、すべてこれニ態あり、陰陽という」

■ 四柱推命学では、本来なら「体」(陰)と「用」(陽)とが不離不即の関係になってとらえどころのない人間の本質を、「体」と「用」に関わる因子のエネルギーを形而上学的に精密に計測して数値化し、その結果を精神理学に基づき分析診断しようとするものです。



根本原理U
 ・・・・五行原理(森羅万象は五つの関係を除いては成り立ち得ない)


■ 中国では五行説と言われているものであり、五行説では、天に、木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)の五つの星があり、その星の不思議な運行が人間はじめ万物の栄枯盛衰に関係があるとして定められたとされていますが、初めからそういう五行説が定着していたのではなく、いろいろと変遷があったようであります。

■ 現代の科学的知識をもとにこれらの五行説を考えた場合、私自身、この宇宙に存在する森羅万象は五つの関係を除いては存在し得ない物理学上の法則になっているのではないかと考えています。

■ たとえば、私たち個人の人間を中心に考えた場合、次の五つは、生きていく上で欠かせない条件であります。

◇同等の関係の人がいる。 兄弟か同僚か同類が必ずいます。
◇自分から生じるものがある。 生命から発する知恵、声、汗、大小便などがある。子どもを生みます。
◇自分が剋す関係がある。 生命維持のために何かを食べなければならない。
◇自分が剋される関係がある 細菌に冒されたり風水害があって死ぬことがある。
◇自分が生じられる関係がある。
自分を生んでくれた親は必ずいる。      


■ 上記の説明は生命に関係する人間を例に取りましたが、道ばたに転がっている石ひとつとって見ても、同様の関係がいえます。

◇同等のものがある。 御影石とか大理石などがあります。
◇自分(石)から生じるものがある。 石からは各種金属が内包しており取り出せます。
◇自分(石)が剋す関係がある。 隕石となって衝突するなどしてモノを傷めます。
◇自分(石)が剋される関係がある。 風や水によって石が破壊されていきます。
◇自分(石)が生じられる関係がある。 火山などの溶岩が冷えて石となります。

(3) 人間分析学として成り立つか

このように陰陽の理論と五行関係が、宇宙を貫く物理学上の法則になっていると考えるならば、この陰陽と五行説をたくみに取り入れた四柱推命学は、宇宙を貫く物理学上の法則と合致しているので、人間分析としての学問にじゅうぶんなり得るものと結論せざるを得ません。
まさしく、「人間は宇宙の物理学上の法則から生まれた小宇宙」と言えます。




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